去る6月9日に昨年度と同じ研修会場、静岡市歴史博物館講座室で、令和6年度佐保会静岡支部総会及び研修会を開催しました。梅雨時の開催なので、2週間くらい前から天気予報を気にしていましたが、当日は雨に降られることもなく、予定通りの内容で実施することができました。お忙しい中、ご参加いただきました会員の皆様に心より感謝いたします。
総会では本会規約の改定をご承認いただくとともに、御前崎市を西部地区とする東部・中部・西部の地区区分の細目を運営委員会により令和6年3月10日に決定し、同年4月1日から適用したことをご報告しました。
研修会
演題:『ポリフェノールの歴史から
健康機能まで』
講師:静岡県立大学名誉教授
下位香代子会員(S51理化卒)
ポリフェノールに関する専門的なご講演を通じて、ポリフェノールとは分子内にフェノール性の水酸基を複数個もつ化合物群で、植物の二次代謝産物として8,000以上の種類が存在していること、さらにポリフェノールの分類と含有食品の例については、単純フェノールにはコーヒー・ウコン、フラボノイドにはミカン・タマネギ・大豆・緑茶、加水分解型タンニンにはチョウジ、縮合型タンニンにはカカオ・チョコレート・赤ワインなどがあることをご教示いただきました。私たちが摂取する野菜や果物、茶類には実に多様なポリフェノールが含まれていることを知りました。また1991年には冠状動脈性心疾患が少ないフランスでの赤ワインの摂取が注目され、ポリフェノールの抗酸化性に着目した機能性研究が進展しました。現在ではポリフェノールの健康機能について、心血管疾患の予防と血管強化作用をはじめ、メタボリックシンドロームやロコモティブシンドロームの予防、腸内細菌叢、抗アレルギー作用、脳腸相関、血糖値上昇抑制作用、骨粗鬆症の予防などに効果のあることが明らかにされています。
健康機能に効果的な摂取量は一般的には、フラボノイドとしては1日20mg以上、総ポリフェノールとしては1日~1,000mgです。そしてたんぱく質 、脂質、 炭水化物のエネルギー産生の対比(PFC比)が13~20%:20~30%:50~60% という望ましい対比になるよう、バランスの良い食事をとることでポリフェノール(フラボノイド)を効果的に摂取しましょう。
研修会で学んだ知識を日々の健康のために活かしていきたいと思います。
昼食・懇談
昼食・懇談では和やかな雰囲気の中、情報交換し、年代を越えた交流を楽しみました。先輩や後輩の皆さんのご活躍、ご奮闘のお話に喜びと力がみなぎったところで、「ゆとりグループ」と「健脚グループ」の2グループに分かれて駿府城公園へ向かいました。
駿府城公園内の東御門・巽櫓と紅葉山庭園見学
巽櫓は平成元年に、東御門は平成8年に日本古来の伝統工法により復元され、内部は資料館として公開されています。東御門のたたずまいに駿府城の豪壮さを実感しました。また、資料館には豊臣仕様の金箔瓦や武士がたしなんだ織部流の抹茶茶碗などの出土品が展示されており、駿府城の歴史的背景を学ぶことができます。一方、駿河の国の自然と名勝を表現した紅葉山庭園では四季折々の風情を楽しむことができます。格式の中にもモダンな雰囲気が漂う立礼席でいただいたお抹茶と「菖蒲」という名の練り切りは格別でした。奈良の思い出話に花が咲いたのでしょうか、「奈良に行きましょうよ!」というお声があがりました。
(文責 書記 白鳥孝子)